五重塔と富士山の写真

私たちは不安定な

姿勢をとっても

よほどの場合でない限り

転倒することはありません。

歩いたり、立ったり、

運動できるのにはどこかに

バランスを取る機能が

備わっているからです。

その全体のバランスを取る機能が

顎にあるということを知ってますでしょうか?

今回は身体のバランサーである顎と心柱について

解説していきたいと思います。

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五重塔の制震技術

建築物には地震の

揺れを吸収させる

制震(揺れを減らす)技術

というものがあるそうです。

法隆寺の五重塔は建立から

1300年と言われており、

高さは32メートルあります。

江戸以前に建てられた現存する

五重塔は22基ありますが、

未だにひとつも倒れて

いないと言います。

マグニチュード7クラスの

地震にこれまで何回もあっても

倒れていないのです。

その秘密とは

度重なる地震に見舞われながらも

倒壊しないのには理由があります。

それは五重塔には

心柱(しんばしら)という

存在があるからです。

心柱は、塔の最上階から

1階に向かって吊り下げられており

塔全体のバランスをとる

役割を担っています。

五重塔と心柱の関係を図にした写真

一番下は礎石といわれる

台の上に乗っている場合もあれば

宙ぶらりんになって

いることもあります。

この心柱は地震が起きた際に

スネークダンスのように

ゆらゆらと揺れます。

第一層が右に揺れると、

第二層は左というように

各層がくねくねと動きます。

強い地震が起きても心柱が

中央にあることで背骨が

スネークダンスのように揺れを

軽くしようと制震の働きをします。

心柱と下顎の関係性

この心柱の働きは人間でいう

ところの下顎の働きと似ています。

下顎は上顎に対して

宙ぶらりんになっている状態で、

それを舌や側頭筋で支えています。

この中心軸であるバランサーの

下顎の位置がズレると、

身体の中心軸もズレることを

意味します。

すなわち顎がズレると

それを補おうと必然的に

どこかの位置がズレるわけです。

このバランスのとり方は

人それぞれですが、

頭蓋骨から骨盤に至る

背骨のどこかでバランスを取り、

そこに加重を生じさせる

ことになります。

笑顔で顎の位置が本来の位置にある女性の写真

ズレるのは大なり小なり

あることなのですが、

そのズレをそのまま

放っておいてしまうと

歪みに繋がります。

歪みがあると今度はそれを

どこかで支えることになるので、

骨格を支えている筋肉や

腱及び靭帯などで支える

ことになります。

それが続くと筋肉の緊張やこり、

筋膜の癒着を生み出す

原因のひとつになるのです。

ここでは触れませんが、

心柱というくらいなので、

中心軸のズレは心の作用にも

大きく影響しています。

下顎が本来の位置にあることの重要性

ヨガの木のポーズで体軸を整える女性の写真

個人の考察としては人間の心柱は

舌で頭蓋骨を支えて、

下顎で全体のバランスを取り、

背骨で衝撃や揺れを制震している

全体の流れを指すのだと思います。

(今のところです…)

とても精密で繊細な構造です。

この身体の奇跡を自然に

使っていくには顎の位置が

体全体に対して中心軸に

あることが大事なことです。

下顎の位置が本来のあるべき

場所にぶら下がっていることで

脳の機能、姿勢及び身体能力、

心の発達に大いに影響します。

大人もですが、

特に子供の成長において

この顎を本来の位置に

もっていくことは、

もともとあるものを

十分に使いこなしていくために

健全で自然な発育に

繋がっていると実感しています。

おまけの心柱

実はあのスカイツリーにも

1300年前の匠の技である

心柱の技術が

採用されています。